【意外とバズったJ-CAST記事(10)】「クルマ」「鉄道」「航空」といった乗り物が関係する記事には一定のファン層がいるが、2016年2月25日に公開した
「首都高料金、4月から上限『1300円』に4割上昇 ネットで『高すぎる』『ディズニーより深刻』と悲鳴上がる」
は、5月上旬までにフェイスブックで約2000件のシェアを集めたほか、多くのコメントが寄せられるなど、ひときわ高い関心を集めた。4月からの値上げラッシュに頭を痛める「生活者」の視点からまとめた内容が共感を呼んだようだ。
4月の値上げラッシュに、うんざり
首都高道路会社が首都高の新たな料金(案)を公表したのは、2016年2月5日。新しい料金は、国土交通省の認可を得て、4月から適用する運びだった。当初、会社側はホームページや首都高の入口などで新たな料金を告知していたものの、なぜかメディアの露出が少なく、インターネットでもじんわりと広がっていった印象がある。
4月1日に導入された新しい料金体系は、ETC(電子料金収受システム)を搭載する普通車の場合、これまでの「6キロごとに加算」から、「0.1キロごとに10円単位で加算する」仕組み。首都高を利用する距離が短いほど安くなり、たとえば、利用距離が4.3キロメートル以下の下限の場合は、これまでの510円から300円に値下げされた。
しかし、35.6キロメートルを超える上限の料金は、これまでの930円から370円も値上げされて1300円に。しかも、現金払いの場合は一部の区間を除き、一律1300円になった。
走行距離によって料金が違う体系はこれまで通りだが、実際に利用するドライバーからは、「わかりにくい」「高速道路に乗ってみなければわからない」との不満がくすぶっていた。記事では、どこからどこまで走るといくらかかるのか、より具体的に示したことで、読者がイメージしやすく、より身近に感じられたのかもしれない。
また、この4月からは国民健康保険や、納豆(ミツカン)やケチャップ(カゴメ)、食卓塩といった食品など暮らしに関わる身近なものが相次ぎ値上がり。一方で景気の不透明感が広がり所得が伸び悩むなかで、生活者が「負担増」に敏感になっていたこともある。
記事では、あるツイッターユーザーの、
「ディズニーの値上げより首都高の値上げが深刻だろ」
とのつぶやきを紹介。入場料(ワンデーパスポートは大人6900円が7400円に値上がり)と交通費(首都高)の二重の値上げで行楽地への足が遠のくばかりか、流通コストの上昇で「モノ」の値段が上がることを危惧する声も多くみられた。
それでなくても、首都高は、「高速なのに年中渋滞」「渋滞のときは料金、返してほしい」「とにかく、(料金が)高すぎる」などと、ドライバーらの不満は大きい。
そういった「不満」が噴出したようだ。