突然の発表に、アニメ「クレヨンしんちゃん」(テレビ朝日系)ファンの間には驚きが広がった。2016年5月6日放送の次回予告で、登場人物の「ぶりぶりざえもん」が16年ぶりに「しゃべった」からだ。
前任者の塩沢兼人さんが急逝して以来、人気キャラでありながらアニメでは一切台詞がなかった。後任の声優はまだ正式に発表されていないが、「復活第一声」の特徴から、ファンの間では某人気声優だ、との推測が多数挙がっている。
第一声は「待たせたな。いよいよ私の出番だ」
「待たせたな。いよいよ私の出番だ」――16年ぶりとなる「第一声」が流れた直後の1時間ほどの間に、ツイッターでは「ぶりぶりざえもん」を含むツイートが1万件近く投稿された(Yahoo!リアルタイム検索より)。
6日の放送での予告編では、ぶりぶりざえもんを主人公とした「ぶりぶりざえもんの冒険 覚醒編」が次回13日にオンエアされることが告知された。ナレーションでは、主人公・野原しんのすけが、「救いのヒーロー・ぶりぶりざえもんが、16年ぶりに帰ってくる!」と強調し、その「覚醒」を盛り上げる。
「ぶりぶりざえもん」は、しんのすけが自作の絵本の主人公として生み出した、ブタのような姿の「救いのヒーロー」だ。本編とは別の「外伝」的なエピソードで、しんのすけに呼び出されて助っ人として登場するのだが、いつも自信満々なのにほとんど役に立たず、平然と味方を裏切った挙句、高額の「救い料」を要求するなど、なんとも頼りなく、だがそれでいて妙に憎めないキャラクターとして描かれている。その登場場面だけをまとめたDVDが発売されるなど、作中でも屈指の人気を誇ってきた。
ところが2000年、声を演じていた塩沢兼人さんが、46歳で急逝してしまう。個性派声優として知られる塩沢さんのハマリ役だっただけに、制作側も「代役を立てない」ことを決定、以後16年間、登場しても一切喋らない、という特殊な扱いが取られてきた。