赤ちゃんの遊びに音楽を取り入れると、言葉の発達がよくなるという研究を米ワシントン大学のチームがまとめ、米科学アカデミー紀要(電子版)の2016年3月17日号に発表した。
早い時期に音楽に触れると、言語・学習能力にかかわる脳の部分が刺激されて活動を活発化させるという。
童謡を聞きながら太鼓を打つと脳が活発に
研究チームは、生後9か月の赤ちゃん39人とその保護者を、音楽を聞きながら遊ぶ20人と、音楽をまったく使わずに遊ぶ19人の2つのグループにわけ、毎回15分間の遊びを1か月にわたり計12回ずつ行なってもらった。
音楽ありのグループは、保護者と一緒に座り、童謡やワルツなどを聞きながら、音楽に合わせて太鼓をたたいた。野球の試合でよく歌われる曲「私を野球に連れてって(Take Me Out to the Ballgame)」も使われた。一方、音楽なしのグループは、ブロックやおもちゃなどで活発に遊んだ。
1か月後、赤ちゃんたちの頭を脳磁図(MEG)検査装置などで調べると、音楽ありの子は、音楽なしの子に比べ、音や会話にかかわる「聴覚皮質」と、言葉・記憶・創造などにかかわる「前頭前皮質」の反応がより強かった。
今回の結果について、同大のクリスティーナ・ザオ博士は「早い時期に音楽体験を遊びに取り入れると、言葉の能力を高め、長期間の学習能力にいい影響を与えることがわかりました」とコメントしている。