クイズならではのバズり方
そうした常識からすると、公開から2週間が経ち、特にプッシュもかけていないものがこんなに伸びるというのは、正直珍しい。その経緯を知るべく、ツイートの時系列をたどってみた。
まず12日の22時ごろ、ツイッターユーザーのAさんが偶然この難読地名クイズを見つけたらしく、挑戦してその結果をつぶやいた。これを見て、興味を覚えたのがAさんのフォロワーのBさんだ。約15分後、同じようにこのクイズに回答、自らの成績をつぶやく。同じようにしてさらに約15分後、BさんをフォローするCさんもクイズにチャレンジした。
Aさん、Bさんはそれほどでもないが、Cさんは比較的多くのフォロワーを抱えている。Cさんの投稿をきっかけに、30分ほどの間に数十人がクイズに挑み、ツイッターで結果を報告――あとは、玉突き式だ。フォロワーからフォロワーへとクイズは波及。夜には1時間当たり100件規模だったツイッターでの言及数は、運営が回答者増に気付いた13日昼ごろには10倍近くに伸び、ツイッター全体の「トレンド」ワードにランクインするまでになった。さらにSNSの枠を超えフェイスブックへ、また他の類似するクイズへとユーザーは流れる。ただ見ているばかりだった運営側としては、まさに「バイラル」、ウイルスのよう、の一語だった。
結局、その拡散はおよそ丸2日間にわたって続き、回答数は最終的におよそ7万、ツイッターでの言及数は確認できただけで7000件近く、フェイスブックでのシェアも1万5000件超。クイズというコンテンツの特性を生かした今まで体験したことのない「バズり方」は、少なからぬ刺激となった。
「あとは、これが狙って出せるようになればいいんですけどね」
運営チームはそんな軽口を叩きつつ、ただいま2匹目のどじょうを探している。