大手ディスカウントストア「ドン・キホーテ」のある店舗で、鮭弁当などが200円で売っているとネット上で反響を呼んでいる。「ちょっと怖いけど食べてみたい」と話題のお味は――。
のり弁の上に、紅鮭と磯部揚げ、それにキンピラゴボウまで乗っている。東京都港区の「プラチナ ドン・キホーテ白金台店」で販売されている「鮭のっけのり弁当」だ。
白金台店に買いに行くと、次々と売り切れに......
これが税抜きで200円になる。ドンキでは、この店だけの値段だ。
ドンキに「200円弁当」があるという情報は、2ちゃんねるで2016年4月14日ごろから話題になった。まとめブログやツイッターを通じて情報が拡散され、5月2日にはネットニュースでも取り上げられた。
そこで、J-CASTニュース記者が6日正午過ぎに白金台店を訪れると、惣菜コーナーの中に当の「200円弁当」があった。「驚安」の札が立てられ目立つように置かれており、ほかに「唐揚げ弁当」もあった。こちらは、唐揚げ5個のほか、ポテトフライやスパゲッティも添えられていた。
うち「鮭のっけのり弁当」の方が人気らしく、2、3個をまとめ買いする人もいて、すぐに棚からなくなった。唐揚げ弁当も、次々に売れ、店員がその度に補充していた。コーナーには、店内で調理している様子のビデオも流れていた。
試しに2つとも買って、記者も食べてみる。鮭は、ほんのり塩味が効いており、まずまずの食感だ。唐揚げは、冷めていたためか、やや硬かったが、これで200円強なら納得するレベルだと思った。
ネット上では、「家で作るより安いや」「学食より良さそう」などと驚きの声が上がっている。その一方で、「安すぎて怖い」「何入ってるか分からないぞ」といぶかる向きもあった。
なぜこんなに安く弁当を提供することができるのか。
「弁当だけでは店の利益はほとんどない」
ドンキホーテホールディングスの広報室では、次のように説明する。
「私どもの子会社に、スーパーの長崎屋があり、弁当の素材を一括して仕入れることができます。つまり、スケールメリットがあるわけです。また、卸売業者を入れておらず、店頭で調理をすることで、中間マージンをカットしています」
ただ、ドンキには、お惣菜のイメージがないため、白金台店が15年5月末にオープンしたとき、客に知ってもらおうと期間限定で「200円弁当」を売り出した。それが好評だったため、弁当だけでは店の利益はほとんどないものの、レギュラーメニューとして続けていくことになったそうだ。
シロガネーゼで知られセレブな雰囲気がある白金で出店したのは、松阪牛など高級なものも販売する実験としてだという。そこで「200円弁当」を販売するのは、ディスカウントストアであることを知ってもらうためでもあるとしている。
「鮭のっけのり弁当」の裏面表示を見ると、お米は国産とあったが、甘味料、着色料、酸化防止剤、増粘剤といった添加物がいくつか挙げられていた。そのことについては、「お弁当としては、標準レベルだと思います。それと安さとは関係ありません」と言っている。