米大統領の選挙キャンペーンでは賑やかな音楽がつきものだが、共和党の指名獲得を確実にした不動産王のドナルド・トランプ氏(69)には、楽曲が使われた大物アーティストから次々に「物言い」がついている。
ローリング・ストーンズやエアロスミスが次々に楽曲の使用中止を求めてり、自分たちの楽曲とトランプ氏のイメージが結びつくことを嫌ったとみられる。これに対し、トランプ氏は「他にも、もっといい曲がある」などと「どこ吹く風」。ストーンズの楽曲は引き続き集会で使用されており、事実上要求を一蹴した形だ。
トランプ氏「何の問題もない」と一蹴
過激な言動が物議を醸してきたトランプ氏は2016年5月3日(米東部夏時間)のインディアナ州予備選で、共和党による大統領候補の指名を確実にした。英テレグラフ紙によると、この直後の集会でトランプ氏がスピーチした後にローリング・ストーンズの代表曲「スタート・ミー・アップ」(Start Me Up)が演奏されたという。マイクロソフトの「ウィンドウズ95」のCMでも大々的に流れ、比較的若い世代にも知名度が高い曲だ。
こういった重要な局面で自らの楽曲が流れることを嫌ったのか、ローリング・ストーンズの広報担当者は5月4日、
「ローリング・ストーンズはトランプ陣営に楽曲の使用を許諾したことはなく、すべての使用をすぐにやめるように求めた」
とする声明を出した。トランプ氏はこの問題について、CNBCとのインタビューで、
「何の問題もない。ミック・ジャガーが好きだ」
と答え、ローリング・ストーンズの楽曲が使えなくても、他のアーティストの楽曲を使う意向を示した。
だが、実際には、トランプ氏はローリング・ストーンズ側の要求を一蹴するように、5月5日夜にウエストバージニア州で行った集会でも「スタート・ミー・アップ」と「無情の世界」(You Can't Always Get What You Want)を続けて流した。