脳死の女性が延命55日目に男児出産 家族は「幸せな出会いと悲しい別れ」

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   脳死に陥ったポーランド人女性が、55日間の延命治療後に男の子を出産していたことが2016年4月、明らかになった。

   脳死の女性の出産例はこれまでもいくつか報告されているが、おそらく最長の延命期間での成功例だという。

「子どもの命を救うことを試みてほしい」

   4月20日付AFPの報道によると、女性が出産したのはポーランド南部ウロツワフの大学病院。2015年末に救急車で病院に搬送され、脳腫瘍による脳死と判定された。41歳で、17~18週目の妊娠初期段階だった。AFPの取材に対し、担当医師はこう語っている。

「彼女の家族全員が、子どもの命を救うことを試みてほしいと訴えました。長い55日間の闘いでした。われわれは、この子がもっと大きく育ってほしいと願ったが、命の危険があったので、1月末に帝王切開に踏み切りました。妊娠26週目で、わずか1キロでした」

   3か月間の集中治療の結果、男の子は3キロに成長、自分でミルクを吸うようになり、無事退院した。女性は男の子が生まれた後、生命維持措置を外された。

   複数の海外メディアの報道によると、脳死女性の出産は、2015年に米国で脳死後54日目に(男の子・1284グラム)、2014年にカナダで42日目に(男の子・約900グラム)などの例がある。いずれも女性は出産後に生命維持措置が外され、家族にとっては「言葉で表現できないほど、幸せな出会いと悲しい別れ」(カナダ人女性の夫)となった。

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