「なぜ今のタイミングなのか」 ローソン、早すぎる「社長交代」に見える焦り

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筆頭株主・三菱商事を巻き込む戦略

   ここでローソンが前面に打ち出したのが三菱商事との連携強化だ。同社出身の竹増氏を社長に置くことで、「三菱商事を巻き込み総力戦に持っていく」(玉塚氏)という態勢を整えたといえる。今後は、三菱商事の資金力やマンパワーを積極的に活用し、三菱商事と一体となって、同業他社に遅れをとっているとされる海外事業をはじめ、商品開発や効果的な原料調達を強化する構えだ。

   ただ「竹増氏の前途は多難」との見方は業界では根強い。まず、竹増氏の最大の任務とされる海外事業だ。アジア各国では先行するファミリーマートなどが苦戦しており、簡単に展開できるとはみられていない。

   竹増氏は「元々社長含みで三菱商事がローソンに送り込んだ」(商社関係者)とされてきたが、ファミリーマートの規模拡大で、想定より早く社長に就いたと見る向きもある。実際、竹増氏はローソン副社長になってから成城石井、シネコン運営のユナイテッド・シネマなど新たにグループに加えた事業を統括してきており、コンビニ事業は引き続き玉塚氏が統括するとされるのも、「早すぎた社長就任」を裏付けているともいえる。

   とはいえ、社長としてコンビニ事業を「わが物」にしていかなければならないのは当然。特に、コンビニではトップがフランチャイズのオーナーとの信頼関係を築くことは必須条件だが、竹増氏は2014年5月にローソンに来てからまだ2年とあって、「密接な関係ができているかは疑問」との声が業界では聞かれる。

   ローソンの正念場をいかに乗り切っていくか、竹増氏の手腕が注目される。

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