トマト、ココア、ヨーグルト...ブームになった食品
食に対する人々の関心の高さを示す例がある。メディアが「体にいい」と紹介した食品に消費者が殺到し、売り切れが続出するケースが過去にしばしば起きているのだ。
記憶に新しいのは2012年の「トマトブーム」だ。この年の2月、京都大学が、トマトから脂肪肝や血中中性脂肪を減らす成分を発見したとの研究成果を発表した。「メタボリックシンドローム対策として効果が期待できる」と、新聞やテレビが大きく取り扱ったことから、トマトやトマトジュースの売り切れが続出した。1990年代半ばには、当時日本テレビ系で放送していた昼の人気番組「午後は○○おもいッきりテレビ」で、ココアの健康効果が紹介されたのに端を発して、ココアがスーパーなどで品薄状態となった。
明治が販売するヨーグルト「R-1」も、ブームとなった商品のひとつだ。「佐賀県有田町で2010年9月から半年間、幼稚園、小学校、中学校の全児童・生徒に『R-1』の飲料タイプを飲ませたところ、インフルエンザの発症率が近隣自治体と比べて極めて低かった」――。こうした研究発表をテレビ番組が報じたところ、2012年の冬には「R-1」の人気が沸騰し、販売店が入荷してもすぐに売り場から消えてしまうほどになった。2009年に発生した新型インフルエンザの猛威が人々の記憶に残るなか、こうした報道が消費者の購買意欲をかきたてたのかもしれない。
「J-CASTヘルスケア」の記事にも、ダイコンの成分のインフルエンザに対する有効性が書かれている。記事を配信した1月という、インフルエンザが流行しているタイミングと、インフルエンザという「かかったら怖い病気」を身近な野菜で予防できるという点が、読者の興味を引いた可能性はある。