多くの人を救う研究が思わぬ理由でとん挫した
13人に関して、改めて個別に医療記録を調べ直し、発病していないことが確認できたが、13人の遺伝子の奇跡の謎を追及する研究はそこまでだった。遺伝子研究のプロジェクトでは、遺伝子データを提供する条件として被験者との個別の接触が禁じられている。今回の研究では、まさか、こんな奇跡が起こると思わず、禁止条項の同意書にサインしていたのだ。
研究リーダーのステファン・フレンド氏は「13人が発病しない理由には、私たちがまだ知らない、遺伝子疾患を防ぐ特定の遺伝子や環境的因子があるはずなのです。それがわかれば、多くの遺伝子病に苦しむ人を救えるのですが。13人以外に、発病するはずなのに発病してない人々を探すには、数百万人の遺伝子を調べ直さないといけません」と語っている。