【意外とバズったJ-CAST記事(5)】「京都人のいやらしさは、つきあうとわかります」――記事にはこんな反応が相次いで寄せられた。
J-CASTニュース「トレンド」で2016年4月2日に公開した
「『京都ぎらい』なぜ受ける 『洛外』育ちが本音トークぶちまけた」
は3週間ほどでFacebookのシェアが1000を超え、「コメント」も100を突破した。
Googleで「京都ぎらい」を検索すると、一時はトップになっていたほど。ネットの新書紹介記事としては異例の反響を呼んだ。
胸のつかえが下りる
「暮らしてみて思ったのは差別する人間が多いなと」
「京都のご年配の関西他県への見下しは異常」
「わかる。家の都合で他県から引っ越したら、『日本でも海外でも皆京都に憧れてどんどん人が勝手に引っ越してくるから、もともと住んでるこっちは迷惑!』と面と向かって言われた」
コメント欄には次々と実体験に基づく「京都ぎらい」の投稿が並んだ。
著者の井上章一さんは京都出身。関西ではよく知られた学者文化人だ。世間的には「京都人」と思われていた井上さんが、あろうことか「京都批判」をやってのけた。いわばオキテ破り、一種の内部告発だ。それだけに当事者しか知らないディープなエピソードがあふれ、内容は生々しい。J-CAST記事でもそのあたりをかいつまんで紹介した。胸のつかえが下りた人が少なくなかったようだ。昨(2015年)秋の発売だが、16年2月、書店員や出版社の編集者らが選ぶ「新書大賞2016」(中央公論新社主催)に決まったことで一気に注目度が高まった。このところ売れ行きに拍車がかかり、20万部を突破したという。
京都には中心部の「洛中」と周辺の「洛外」がある。本物の「京都人」を自負できるのは「洛中育ち」だけ。「洛外」出身の井上さんは「京都人」と認定されない。そんな洛外者の悲哀と悔しさ、小馬鹿にされてきた怒りを井上さんは本音トークでぶちまけた。