「ゆとり世代」は「使えないやつ」の隠語なのか 若者の6割が「言われたくない」と答えた

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   「『ゆとり』だからな」「『ゆとり』じゃあ仕方ない」「『ゆとり』はなに考えてんのか、わからん」・・・と、なにかと揶揄されがちな「ゆとり世代」。その半数以上が「ゆとり」と言われることを嫌がっていることがわかった。

   「ゆとり世代」と呼ばれるのは、1987年4月~1996年3月生まれ。小・中学生の頃に「ゆとり教育」がスタートしている世代で、2016年のいま、87年度生まれは29歳になり、95年度生まれは21歳になろうとしている。

  • 20代の半数以上が「ゆとり世代」と言われなくない!
    20代の半数以上が「ゆとり世代」と言われなくない!
  • 20代の半数以上が「ゆとり世代」と言われなくない!

「予防線になる」「多少ミスをしても許されがち」との受けとめも

   住まい探しやリフォームなどをサポートする、住宅・不動産ポータルサイトを運営する「オウチーノ総研」が、東京都や神奈川県、埼玉県、千葉県に住む20~28歳の働く男女688人を対象に実態調査を実施。2016年4月26日に公表した。

   なにかにつけて「ゆとり」と言われてきた20代が、実際に「ゆとり世代」についてどう考えているのか、聞いた。

   まず、「自分自身や同世代の人々は『ゆとり』だと思いますか?」という問いに、「『ゆとり』だと思う」「どちらかというと『ゆとり』だと思う」の「ゆとり」を自覚している人が68.6%を占めた。「どちらかというと『ゆとり』ではないと思う」「『ゆとり』ではないと思う」の「ゆとり」否定派は31.4%だった。

   自分たちが「ゆとり」と考える理由は、「『ゆとり教育』を受けたから」が最多。次いで「周囲にそう言われるから」「マイペースだから」などがあがった。一方、「ゆとり」を否定する人からは「勉強したから」「世間が言っているだけ」という声が多かった。「『ゆとり』を感じたことがない」や「厳しい時代背景があるから」といった声もあった。

   とはいえ、「ゆとり」と呼ばれることについては、「嬉しい」「どちらかというと嬉しい」と答えた人はわずか9.5%。「どちらかというと嫌だ」「嫌だ」という人は57.7%と、ネガティブに捉えている人が半数を超えた。

   「嫌だ」という人の多くが「馬鹿にされている・見下されていると感じるから」という理由をあげ、具体的には「知識が足りていないと思われていそう」や「『使えないやつ』の隠語に聞こえるから」といった声があった。

   もっとも、「嬉しい」という人の理由も「予防線になるから」「『ゆとり』はマイナスイメージがあるから、多少ミスをしても許されがち」などと、必ずしも前向きに捉えているとはいえないようだ。

   さらに、「ゆとり世代」の特徴を自己分析してもらったところ、「打たれ弱い・失敗を恐れる」が17.0%と最多。「怒られ慣れていない」ことや「挫折経験が少ない」こと、「失敗をしないように無難に物事をこなす」ことから、「打たれ弱い」などと考えているようだ。

   また、「仕事や仕事上の付き合いよりプライベートを優先させる」が14.7%、「スマホ・ケータイ依存」が14.0%、「ストレス耐性が低い」、「出世にこだわらない」がともに13.7%と続いた。

「だいたい『ゆとり』つくったのは大人だよね・・・」

   こんな調査結果に、「ゆとり世代」からだろうか、インターネットでは

「こっちからしたら政府の方針で履修範囲変えられたり、受験範囲変えられたり、いい迷惑なんやけど。それを『ゆとり世代』ってひと言にされたら嫌に決まってるやろ」
「だいたい『ゆとり』つくったのは大人だよね。ゆとり世代に言わせたら自分達で勝手にゆとりにさせといて今さら悪く言われても?って感じじゃないの?」

と勝手にレッテルを貼った大人世代に対して反発する声が上がっている。

   その一方、

「だったら、世論を見返してみろよ。ゆとりは優秀だと、体現してみろよ。『誰かがやってくれる』って、それこそがゆとり脳そのものなんだよ」
「『ゆとり』がネガティブな表現になってしまったのは、その世代に対する評価なんだから自業自得な気がする」

といった具合に、ゆとり世代に「追い討ち」をかける意見も出る。

「バブル世代」とどっちがいいか

   意外に目立つのが、「ゆとり世代」と「バブル世代」を比較する見方で、

「『ゆとり』も『バブル』も『新人類』も何も変わらない」
「バブル世代のほうが遙かにゴミだよな」

など、空前の好景気を背景に企業の大量採用で入社した「バブル世代」も、大して変わりがないという声だ。

   「バブル世代」はいま、定年まであと約10年にある。1989年12月、日経平均株価が3万9000円に迫り、多くの人がこの勢いがずっと続くと信じて「浮かれて」いた時代を経験した、1986年末~1991年前後に新社会人となった世代だ。

   就職先はよりどりみどりで、企業側が研修の名目で内定者をホテルで「接待」していたほど。タクシーチケットは使い放題、料亭などの飲食代を経費で落とすことも当たり前だった世代ともされる。

   ところが、バブル経済が弾けると、

「高い給料払っているのに仕事はできない」

などと「ダメ社員」のレッテルを貼られた。働き盛りの40代はデフレ経済の真っ只中で、年功序列の賃金体系が崩壊したうえ、大量採用されたゆえにリストラの嵐に巻き込まれるなどの悲哀も味わった。

   「ゆとり世代」とどちらが幸せなサラリーマン人生かは一概には言えなさそうだ。

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