「原料がえびやかにを捕食しています」――。スーパーや百貨店での食品に、こんな表示を見かけた経験はないだろうか。えびやかにのアレルギー表示をめぐる「注意喚起表示」が今、ネット上で話題を集めている。
たとえ原材料に直接「えび、かに」が含まれていなくても、ふりかけや練り物、すり身などの原料の魚の加工食品のパッケージに記されているのだ。一体何のために表示されているのだろうか。
「かまぼこ」などに10年から原材料表示が義務化
えび、かには成人にとってアレルギー症状の原因となる食物の筆頭。体内に入ると、湿疹が起きたり、呼吸困難など症状が重篤化しやすいことでも知られている。そうした背景もあり2008年、食品衛生法施行規則の改正にともない、卵、乳、小麦、そば、落花生の5品目に次ぐ「特定原材料」となった。2年の移行期間を経て、10年にはパッケージ等への原材料表示が義務化された。
一般的にアレルギー物質の表示法は 2 種類ある。1つが「原材料表示」、もう1つが流通、製造段階でコンタミネーション(混入)が認められた場合の「注意喚起表示」だ。前者は原材料欄の中に、後者は欄外に記される。
実は、えびとかにに関しては、他の5 品目にない「食物連鎖」や「混獲」、「共生」にかかわる注意喚起表示がある。
一例を示すと、「原材料に使用している魚はえび、かにを食べているものを含みます」「原料がかにやえびを捕食しています」「本製品で使用しているしらすはえび、かにが混ざる漁法で採取しています」。
言うまでもなく、えびやかには魚介類をはじめとした水生動物の餌だ。原材料が魚類だけの加工食品も、えびやかに、もしくはそれ由来のタンパク質を含んでいる。上記の表示は文字通り、アレルギー患者に注意を促すためのものだ。
かまぼこやさつま揚げ、ちくわ、ふりかけ、乾物など様々な加工食品のパッケージにこうした類の注意書きがみられた。
ネット上でも「初めて見るアレルギー表示」「こんなのあるんだ」と驚きの声が寄せられている。