ロート製薬(大阪市生野区)は2016年4月20日、女性社員の乳がん検診にかかる費用を4月から会社側で全額負担すると発表した。同社は女性社員が約6割を占めており、女性が社内で長く健康に活躍できるようにしたいとの考えだ。
同社ではこれまでも、女性社員に対して年1回の健康診断受診時に乳がん検診を推奨してきたが、受診には1000円の自己負担が必要だった。厚生労働省の発表では、13年の全国40~60代女性の乳がん検診受診率は約34%。同社の受診率は約40%と全国の水準より高いが、全社員の受診をめざすため全額会社負担に踏み切ったという。
国立がん研究センターの発表によると、2013年には日本全国で1万3000人が乳がんで死亡しており、死者数は1980年と比べて2.5倍に増えた。しかし、早期発見できれば命にかかわることはほとんどない。厚労省は、特に死亡率が高くなる40歳以上の女性に対し、2年に1回の乳がん検診受診を呼びかけている。