麻生太郎財務大臣は2016年4月30日深夜、東京羽田空港で記者団に対して「(円相場が)2日で5円というのは明らかに一方に偏った投機的な動きで、極めて憂慮している」とし、「必要に応じた適切な対応をする準備を整えている」と述べた。急速に円高が進んでいることに対して、週明けの5月2日以降に円売り介入する可能性もあることを示唆したものと市場では受け止められている。
日銀が、4月28日の金融政策決定会合で、市場が予想していた追加的な金融緩和を見送ったことから、外国為替市場では円を買う動きが加速しており、ニューヨーク市場では4月28日から4月29日にかけて1ドル=111円から106円台前半まで値上がりするなど急激な円高ドル安が進んでいる。
麻生財務相は同時に、4月29日に米財務省が為替操作を監視するリストに日本を載せたことについては「日本の対応を制限するものではない」と強調した。