選挙権年齢が2016年夏の参院選から18歳に引き下げられるのを前に、2016年4月30日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で行われた「ニコニコ超会議」でも、各政党は若者向けのアピールに力を注いだ。15年は統一地方選の影響で、政党では民主党(現・民進党)のみの出展にとどまったが、自民、民進、共産、公明、生活の党と山本太郎となかまたちの5政党が出展。18歳選挙権をめぐるパネルディスカッションも行われた。
最も異彩を放っていたのが民進党だ。ステージイベントでは、ゆるキャラの「民主くん」の「政界引退」が決まったり、終盤では枝野幸男幹事長が「地下アイドル」として知られるアイドルグループ「仮面女子」と共演。枝野氏は、中継モニターの視聴者コメントを見ながら「今、自民党に勝ってる!」と大はしゃぎだった。
アイドルと一緒にタオルを回し踊る枝野幹事長
枝野氏は「仮面女子」の代表曲「元気種☆」を歌いながらステージに登場。この曲は、15年1月にオリコンのシングルランキング1位に初登場した。枝野氏は元々アイドルオタクとして知られるが、仮面女子を起用した理由を(1) ニコニコ超会議に出展するコンテンツが足りない。盛り上がってもらえるいいコンテンツがほしい(2)熊本の皆さんに元気を届けるイベントを何かしたい、などと説明。観客の中には「仮面女子」を初めて見たという人も多く、枝野氏は
「アイドル、いいでしょ?私はアイドルを知らない人にアイドルの良さを知ってもらうとともに、アイドルとか知らない人に政治を面白いよって伝えたい」
と力説していた。別の曲でも、メンバーと一緒にタオルを回しながら踊るなど、終始上機嫌だった。「来年はもっと大がかりにやりたい」と意気込んでいた。
共産党の宣伝カーには「制服向上委員会」
「超会議」には、民進党以外にも4党が出展した。自民党では、「戦国時代の痛宣伝車」から街頭演説を体験でき、馬の上から「アベノミクス『三本の矢』」を放つという流鏑馬(やぶさめ)ゲームのコーナーが設けられた。公明党は、ゆるキャラ「コメ助」を前面に押し出し、ゲームアプリ「進め!コメ助!」を大画面で楽しめるようにしたり、コメ助のプロジェクションマッピングを披露したりした。
共産党は、宣伝カーとダーツゲームを出展。一見、自民党と傾向が近いようにも見えるが、共産党の宣伝カーには、反原発で知られるアイドルグループ「制服向上委員会」のメンバーが登壇。デモに参加することの重要性を訴えるなど、内容面で大きく差別化した。生活の党と山本太郎となかまたちは、小沢一郎、山本太郎両共同代表と1分間限定で対談できるブースを設置。小沢氏の直筆サイン入りボールも1個500円で販売され、人気を呼んでいた。