過去には髪の毛が焦げるなどした事例も
「表面フラッシュ」が問題になるのは、今回が初めてではない。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の「事故情報データベース」によると、1996年度以降11件の「表面フラッシュ」をめぐる事故が記録されている。
例えば07年には、ワコールとは別のメーカーが輸入したパジャマで
「パジャマを着用してガスこんろで調理中に、焦げ臭さと熱気を感じてパジャマを脱いだところ、袖から身頃前上部半分が変色し、髪の先端が焦げていた」
といったアクシデントが発生。原因は
「パジャマにガスこんろの火が触れ、表面フラッシュ現象が発生し、パジャマと髪を焦がした」
と推定されている。このパジャマには、表面フラッシュに関する注意表示はあったが、文字が小さいなど気付きにくいものだったため、その後は注意喚起の文言を目立ちやすくするなどの対応が行われた。
それ以外にも、過去には
「調理中にガスこんろの火が、着用していたトレーナーに着火し、炎が広がり、髪の毛が焦げた」(2004年、トレーナー)
「パジャマを着用してガスレンジに着火したところ、袖口が炎に触れた瞬間、表面フラッシュが起こった。あわてて消火しようとしたが反対の袖にも移り、夫の手を借りて消火した」(2000年、パジャマ)
といった事例があるが、いずれも「髪の毛が焦げた」といった程度で済んでいる。