【意外とバズったJ-CAST記事(2)】日本独特の「記者クラブ制度」について、日本の大手メディアが正面から記事にするケースはほとんどない。
しかし、国連の担当者が日本の「表現の自由」について調査した後に開いた記者会見を報じたJ-CASTニュースの記事
「日本は『メディアの構造として政府からの圧力に弱い』 国連『表現の自由』報告者が語った「脆弱性」とその原因」(2016年4月19日)
は、フェイスブックで約2000人がシェアし、ツイッターでも数百回にわたってリツイート(転送)された。
外国特派員協会での会見はメディアの取り上げ方も多様になる
J-CASTニュースでは東京・有楽町の日本外国特派員協会で行われる記者会見を定期的に取材している。一部ネット上では「登壇者の人選が偏向している」といった批判が絶えないが、裏返せば「他では登場しない人」が多く登場するということでもあり、メディアによって取り上げ方も大きく異なる。今回の表現の自由をめぐるテーマは、ある程度高い関心を集めていた。ただ、
「『特定秘密法で報道萎縮』 テレビ局にも圧力と国連報告者」(共同通信)
「『日本は報道の独立性の担保を』国連人権理事会担当者」(NHK)
と、特定秘密保護法の施行を機にメディアが安倍政権への忖度(そんたく)の度合いを高めていることを主眼に報じたメディアが大半で、ケイ氏が記者クラブの廃止を主張した点に触れた社は朝日新聞や東京新聞など、必ずしも多くはなかった。
これに対してJ-CASTの記事では、
「記者クラブのシステムは廃止すべきだと思う。アクセスを制限するツールだ。記者クラブに加盟している人と記者クラブ外の人の両方に話を聞いて思うのは、(取材源のアクセスを維持するために自分の論調を変えてしまう)『アクセス・ジャーナリズム』を助長しており、調査報道を弱体化させているということ。メディアの独立性にとって障害になっていると思う」
というケイ氏の具体的な発言を引用しながら、記者クラブという構造そのものがメディアの独立性を損ねているというケイ氏の見解を伝えた。