選んだのは古巣広島への復帰
新井は08年、FAで阪神に移籍。年俸2億円で、その後、2億5000万円まで上がったことがある。14年オフ、阪神から1億3000万円減の7000万円、広島から2000万円を提示され、選んだのは古巣広島への復帰だった。
昨(15)年、125試合に出場し、117安打、57打点。レギュラーとして頑張ったのが今季の大記録につながった。阪神に残っていたらその数字は無理だっただろう。「決断」と「ひたむき」が復活へつながった。
一生懸命やれば成果が出る、夢を努力で実現させたことを新井は見せた。これを青少年は参考にするに違いない。新井のフルスイング、全力プレー、明るい笑顔が人気の的になっている。広島といえば、ちょっと前に「カープ女子」が話題になったばかり。今では「まさか、あのアライ」が大人気なのである。
広島は名球会メンバーが多い。打者は山本浩二、衣笠祥雄、前田智徳、野村謙二郎、そして新井が5人目となる。投手では北別府学がおり、間もなく黒田博樹が200勝(大リーグと合算)だ。
球界が笑顔を取り戻したと思ったら、4月29日に元巨人投手が野球トバクで逮捕された。今後に不安が広がることも予想される。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)