「落し物ですよ」と飼い主の自宅に送るサービスも
犬のふんがいかに迷惑なモノか、画期的な方法で不届き者の飼い主に思い知らせたところもある。「遺失物」として飼い主の自宅に送り届ける「サービス」を行なったのが、スペイン・マドリード近郊のブルネテ市だ。2013年に犬のふん撲滅キャンペーンの数週間、ふんを放置した飼い主を探し出し、「落し物をお届します」と、ふんを箱に入れて宅配便で自宅に送り返した。キャンペーンは「Cacas Express」と名付けられた。「Cacas」はスペイン語で「ウンチ」の意味。「ウンチ・エキスプレス」というわけだ。
いったい、どうやって飼い主を見つけ出したのか。市当局は、多くのボランティアを募り、街中をパトロールしてもらった。そして、犬のふんを始末しない飼い主を見つけると、声をかけた。それも、注意するのではなく、
「あら、可愛いワンちゃんね。なでてもいいかしら? なんて、お名前?」
と、犬好きを装って話しかけるのだ。飼い主もうれしくなり、犬のことを話し始める。こうして犬の名前と犬種を突きとめる。この2つがわかると、市役所に登録されている犬のデータベースから飼い主を特定できる。
「ウンチ・エキスプレス」では、期間中に147件の「遺失物」を落とし主に届けた。その後、ブルネテでは犬のふんが約70%も減ったという。その後も市当局は、リモコンで動く大きな電動ウンチのおもちゃを公園や道路際に置き、「僕を放置しないで! ちゃんと片づけて!」と飼い主や犬を追い回すキャンペーンを行なっている。
いかにもラテンらしい明るいノリである。日本でも見習いたい。