尖閣諸島の土地、天然資源の帰属も「問題にされかねない話」
宮崎氏は、沖縄県民の中にも自らが先住民族だと思っている人はほとんどいないと指摘した上で、勧告の内容を
「まことに失礼な話。言ってみれば、私の家に勝手に入り込んできて、うちは3人子どもがいるが、この子どもの1人に向かって『君たちは兄弟だと思っているかも知れないけれど、兄弟じゃないよ』という風に勝手に言われているのではないか、こういう印象すら受ける」
「民族分断工作と言ってもいいようなことを放置しないでほしい」
などと批判。特に14年の勧告については、
「尖閣諸島を含む沖縄の土地、天然資源がどこの誰に帰属するのかということを問題にされかねない話」
と警戒感を強め、
「私たち沖縄県民はまぎれもなく日本人で、先住民族ではない」
などとして国連に対して勧告の修正・撤回を要求するように求めた。
これに対して、木原誠二外務副大臣は、勧告を撤回させるプロセスは国連の中に存在しないとしながらも、次回の勧告のプロセスが来た際の対応について
「わが国の実情を正確に反映していない勧告・意見については、これまでも事実上の撤回・修正をするように、そのプロセスの中で働きかけを行ってきているし、これからもしっかりと行っていきたい」
と説明。新たな勧告が出る際には日本政府の意向を反映させたい考えを示した。
外務省の飯島俊郎参事官は
「沖縄に住んでいる人々は長い歴史の中で特色豊かな文化、伝統が受け継がれていると認識しているが、政府として先住民族として認識している人々は、アイヌの人々以外には存在しない」
と従来の政府見解を繰り返した。