今や世界の音楽シーンを席巻する勢いを見せている少女3人組のメタルダンスユニット「BABYMETAL」。2016年4月2日にイギリスのウェンブリーアリーナで行われたワンマンライブでは約1万2000人を熱狂させ、16年4月1日にリリースしたセカンドアルバム「METAL RESISTANCE」は、日本人としては、故坂本九さん以来、53年ぶりにアメリカ・ビルボード誌の総合アルバムチャートで39位とトップ40にランクインした。
そんな「ベビメタ」について、ラジオDJのピーター・バラカンさん(64)が、「まがい物」「世も末だ」などと批判したことで、ファンを中心に激しい反発が起きた。「ベビメタ」ファンが怒っている、というよりも日本のポップカルチャーが否定されたことに腹を立てているようだ。
「本当に世も末だと思います」
ピーターさんは16年4月25日放送の東京都を放送エリアとするMXテレビ「モーニングCROSS」に出演し、「ベビメタ」の映像を終始複雑な表情で見ていた。感想を聞かれると、
「ロックの分野とは全然違う。僕は(ベビメタの人気が高い事については)世も末だと思っています」
などと答えた。別の出演者が、日本はクールジャパン戦略でアニメ、マンガなどのポップカルチャーを世界に広げているけれども、同じように彼女たち生身の人間を通じても日本のファンになってくれる層が新たに誕生している、などと解説するとピーターさんは、
「そうあっては困るなぁ」
と苦言を呈した。そしてこの日ツイッターで、
「番組の前からメディアを通じて少しは耳にしていましたが、ぼくは全く評価できません。先入観ではありません。あんなまがい物によって日本が評価されるなら本当に世も末だと思います」
などとダメ押しした。これに対し怒りを覚えるというより、困惑したのは「ベビメタ」ファンだった。