三菱の補償額は数千億円にも
しかし、不正を働いて獲得したクラストップの燃費も束の間。その後は瞬く間にスズキとダイハツに抜かれ、後塵を拝すことになる。このため、三菱自と日産の間で次期軽自動車の開発を日産が担うことになったのは自然の流れだ。「次期車の商品力を上げるためにも日産にお願いした方が魅力的になるのではないか」と、相川社長は認めている。
今回の問題で、今後、事態はどう進んでいくのか。
長年続いた違法な測定の問題が、4車種以外にどう広がるかは今後の調査を待たねばならないが、不正が明らかなeKワゴンとデイズについては、「型式認証」を国土交通省が取り消す可能性がある。そうなれば、国内で初めてのこと。信用力の低下は避けられない。三菱自が日産ブランド分を含めて燃料代の差額を補填したり、販売したクルマを買い取ったりなどの補償に発展する可能性も高く、補償額は数千億円に膨らむとの見方もある。
燃費の数値操作で購入者が軽自動車税を軽減された分の追加納税分も負担することになり、これも100億円を下らないとみられる。三菱自の経営は根底から揺らぎ、まさに会社存亡の危機に立たされている。