日産は不正・三菱を切ることができるのか 「軽自動車」めぐる両社の深刻な関係

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   三菱自動車工業が4車種で、燃費を実際より良く見せるため、不正な操作を行っていた問題で、2016年4月26日に相川哲郎社長が2回目の記者会見を開き、これ以外に、1991年から法令と異なる試験方法で国内向け車両の燃費データを計測していことを明らかにした。

   三菱自にとって「会社の存続にかかわるぐらいの大きな事案」(相川社長)であるのはもちろんだが、軽自動車の供給を受けていた日産自動車の経営への打撃も大きい。ことは単なる「三菱自問題」にとどまらず、「日産問題」としてもクローズアップされてきた。

  • 日産と三菱が提携を解消する可能性もある。写真は日産のカルロス・ゴーン社長(2014年7月撮影)
    日産と三菱が提携を解消する可能性もある。写真は日産のカルロス・ゴーン社長(2014年7月撮影)
  • 日産と三菱が提携を解消する可能性もある。写真は日産のカルロス・ゴーン社長(2014年7月撮影)

共同開発車は2013年にデビュー

   三菱自は2000年代前半に大規模なリコール(回収・無償修理)隠し問題で経営危機に陥ったのは記憶に新しいが、その前から現在に至るまで、25年間も、違法な測定を続けていたことになる。

   最初に不正を公表した軽自動車4車種は、「eKワゴン」と日産自動車に供給していた「DAYZ(デイズ)」、そしてそれらの改造モデルの「eKスペース」と「デイズルークス」。三菱自と日産が共同開発した初の軽自動車として、2013年6月にデビューした。両社の合弁会社「NMKV」が企画・開発した姉妹車で、ハイトワゴンと呼ばれる激戦区の売れ筋モデルだ。共同開発と言ってもエンジンやトランスミッションなどは三菱自製で、当時は「クラストップの低燃費29.2キロ/リットル(JC08モード)を実現した」というのが最大のセールスポイントだった。

   ライバルはダイハツ「ムーヴ」、スズキ「ワゴンR」「ホンダN BOX」などだ。当時のハイトワゴンではムーヴがリッター当たり29.0キロでクラストップの低燃費を誇っていた。三菱自にとって、日産との姉妹車の投入でクラストップに立つのは至上命題だったに違いにない。日産のあるエンジニアは「軽の燃費開発競争は熾烈を極めている。トップ争いはスズキとダイハツしかできず、ホンダでさえ燃費競争から距離を置こうとしている。三菱自はこれに追いつき、追い越そうとしたのだろう」と漏らす。

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