理化学研究所(理研)などの共同研究グループは2016年4月26日、アトピー性皮膚炎の原因となる遺伝子を解明し、ワセリンを塗ることで発症を予防できる可能性があるとする研究成果を発表した。
アトピー性皮膚炎を発症するマウスを調べたところ、細胞の増殖に必要な「サイトカイン」というタンパク質に含まれる遺伝子「JAK1」に異常が生じて、皮膚の角質をはがす酵素を増やしていた。角質がはがれやすくなることで「皮膚を守る」機能が低下し、アトピー性皮膚炎の発症につながっていた。
原因とされるJAK1の異常は、皮膚にワセリンを塗ることで防げることも突き止めた。グループはマウスを使った研究を進め、ヒトが発症するアトピー性皮膚炎の予防法や治療法の確立も期待できるとしている。