「おいしさには妥協したくない」 「栄養入り」で果実飲料メーカーのプライド

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栄養成分の独特な味が出過ぎないように果物を選定

   キリン・トロピカーナが最も重視するのが、味だ。「体に良いと言われても、おいしくない」では、味覚の肥えた消費者から敬遠されてしまう。飲料メーカーとして、長年培ってきたノウハウをベースに果実のおいしさをいかに引き出すかにこだわった。

   例えば鉄分入りの飲料は、マンゴーを主体にオレンジ、リンゴ、アサイーをブレンドしている。鉄は味が比較的顕著に分かるため、強すぎると「飲み心地」を損ねてしまう。開発段階で、鉄の味が出過ぎないようにする果物を選んだ結果、マンゴーに決まった。「あくまでもジュースとしてのおいしさは妥協したくありません」と大屋さんは強調する。

   日常のふとした場面で、息抜きに手に取るジュース。昨今の健康志向の高まりから「少しでも体にいいものを」を選ぶケースは少なくないだろう。今日では、「隠れ栄養失調」と呼ばれ、必要な栄養素が足りていない人もいる。大屋さんは「自分のための商品と思って飲んでもらえれば」と話した。

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