雑誌「Newton」を教員個人の「寄贈」で存続した大学も
図書館側の決定を阪大外国語学部の学生はどう感じているのか。取材に応じた、ある学生は「せっかく阪大外国語学部に入ったのに、まともな研究が出来なくなるのはとても残念です」と複雑な心境を明かす。
購読中止の影響について尋ねると、「専門の学術誌や、この図書館のみ所蔵の雑誌も多いので、影響はとても大きいと思います」と心配の声を寄せた。この学生は、図書館内に設置されている目安箱(投書箱)に意見書を投げ入れたという。
大阪大と同じようなことは、他大学でも起こっている。関東の、ある理系の国立大学の附属図書館は35冊を超える雑誌の購読を2016年度から中止した。購読中止が決まった雑誌の一覧には、一般誌に混じり、やはり大学の専門分野であるエネルギーや情報技術に関係する学術雑誌も含まれている。
J-CASTニュースが取材したこの大学担当者は「(35冊も購読を中止した例は)ありません」と答える。原因については、阪大と同じく「予算削減のため」だと明かした。
ただ、こちらは教員による支援の動きが見られた。当初、購読中止が発表されていた科学雑誌「Newton」が教員の「寄贈申告」によって、一転、残される方針に改まった。
教員個人の力も借りなければやっていけない――。大学図書館のそんな苦しい台所事情が日本のあちこちで露わになっている。