卵 「高コレステロール」の冤罪が晴れた 長寿日本の栄養を支えた「大恩人」復活

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記憶力のアップと目の老化防止の効果にも期待

   糖尿病に関しては、「むしろ卵を週に4個食べると、糖尿病の発症リスクが一番低くなる」という研究さえある。東フィンランド大学のユルキ・バータナン教授らのチームが2015年に発表した。それによると、週に4個食べていた人は、1個以下の人に比べ、糖尿病の発症リスクが38%も低かった。ただし、5個以上食べると、この効果が打ち消されていくという。

   バータナン教授は「卵は脂肪が多い食品ですが、適量に食べることで、健康に不可欠な幅広い栄養をとることができます。卵には糖分を代謝したり、体内の炎症を抑えたりして糖尿病のリスクを減らす成分が含まれているのです」と語っている。

   複数の栄養学の専門家のサイトをみると、卵の健康効果についてこう書かれている。

   (1)必須アミノ酸が9種類すべて含まれおり、血管や筋肉、内臓の材料になる。いわば生命活動の源となるため、疲れにくい。

   (2)「コリン」というミネラルが多く含まれる。コリンは記憶力を高める「アセチルコリン」という神経伝達物質をつくる材料になる。

   (3)特に卵黄には「ルティン」という抗酸化作用の強い成分が多く含まれている。ルティンは、もともと目の水晶体の中に多い成分で、目の老化を引き起こす活性酸素を抑えたり、紫外線をブロックしたりする働きがあるため、「天然のサングラス」と呼ばれている。

   (4)特に卵黄には「ピオチン」というビタミンがある。糖分や脂肪の代謝を助ける働きがあるため、コレステロールがたまるのを抑制する。卵を1日1個以上食べてもコレステロールが一定に保たれるという研究結果が出たのは、このためかもしれない。また、タンパク質の代謝を助けるので、細胞を修復したり、痛んだ皮膚の再生を高めたりする効果がある。

   バータナン教授も語っているが、いくら卵が健康によいとはいえ食べ過ぎは禁物。さまざまな研究を総合すると、1日1個までの量がいいようだ。

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