台湾の「研究所」、M8地震の予測は外れる 噂広がり、NHKも注意呼びかける事態に

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   北九州市で2016年4月22日までに、マグニチュード8クラスの大地震が起こる――そんな噂が一時、ネットを駆け巡った。

   台湾の「地震予測研究所」を名乗るブログに端を発したこの情報は、ツイッターを中心にかなりの広がりを見せ、NHKの公式ツイッターが注意を呼びかけるまでに至った。24日現在、これに該当する地震は起こっていない。

  • 台湾の「地震予測研究所」ブログより
    台湾の「地震予測研究所」ブログより
  • 注意を呼びかける「NHK防災・生活」ツイッター
    注意を呼びかける「NHK防災・生活」ツイッター
  • 台湾の「地震予測研究所」ブログより
  • 注意を呼びかける「NHK防災・生活」ツイッター

熊本地震を「的中」させた?研究所

   この「地震予測研究所」については、J-CASTニュースでも以前に取り上げたが(台湾「地震予測研究所」、熊本地震予報が「的中」? 月60~80回の大量予報に根拠はあるのか)、電磁波を用いて地震の「予報」を行っていると称する。9日には「3日以内に南日本または台湾でM6.3の地震が起きる」と投稿、これが熊本地震の発生を(2日遅れだが)言い当てたとして、日本でも夕刊フジや日刊ゲンダイなどの夕刊紙を中心に取り上げられ、注目を集めることになった。

   この「研究所」が19日、「福岡県北九州市で3日以内(=22日まで)に、マグニチュード8以上の地震が起こる!」という「緊急情報」を発したのが、騒ぎの始まりだ。まだ熊本地震のショックから覚めやらぬタイミング、かつ具体的な地名まで挙げての「予報」だったため、まとめブログなどにも掲載され、ツイッターなどでも一気に拡散し、

「一応食べ物とか買いにいっておこうかな( ´・ω・` )デマだといいけど(´;ω;`)」
「職場&小学校もこの話題で不安です」
「涙止まらないし眠れない。とりあえず逃げる準備しとこ。。。」

などと怯える声が相次いだ。

「時間や場所を特定する地震予知は確立されていない」

   こうした騒ぎを受けて、災害に関する情報などを発信しているNHKの公式ツイッター「NHK防災・生活」は20日、

「「『22日にすごい地震が起きる』『北九州にM8の地震が来る』のは本当ですか?」といった質問が増えています。現代の科学では時間や場所を具体的に特定する地震予知は確立されていません。日本はどの地域でも地震への備えが必要ですが、あやふやな情報にはくれぐれもご注意下さい」

と投稿した。具体的には書かれていないが、上記の「予報」を受けた注意喚起であることがわかる内容だ。

   NHKの呼びかけにもかかわらず、不安の声は拡散され続けたが、結局22日が過ぎ、これに当てはまるような地震がなかったことで、噂は自然に終息、地元からはとりあえず一安心の声が上がった。

   なお、「地震予測研究所」はその後、繰り返し件の「予報」を修正しており、最新のものでは「(23日から)5日以内」にまで先延ばしされている。そもそもこのブログでは元々、月に60~80回「予報」を乱発、対象地域もかなり広いのが実情である。

   一方、気象庁によると24日15時までに、震度1以上の地震が一帯では865回発生するなど、依然として活発な地震活動が続いている。今後1週間ほどはなおも震度6弱クラスの揺れが起こる可能性があるといい、引き続き注意が必要だ。

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