面倒な食事制限なしでも「改善」 クルミ食べるとこんなに良い事

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   酒のつまみとして最近、もてはやされるナッツ類。中でもクルミはふくよかな香りとおいしさで人気は高いが、カロリーが高いのが難点で「ダイエットの敵」と思われがちだった。

   スペインのロマ・リンダ大学のチームが、高齢者がクルミを食べると、特に面倒な食事制限をしなくてもコレステロール値を改善できるという研究をまとめ、2016年4月、米サンディエゴ市で開かれた米国実験生物学会で発表した。

  • ヨーロッパでは昔は「薬」だったクルミ
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太ると思われていたのに、血液がサラサラに

   クルミは、ビタミンE、B1やカルシウムなど栄養が豊富だが、100グラムあたり約600キロカロリーもある。1粒が約27キロカロリーだから、6粒でご飯1膳分(約160キロカロリー)くらいになる。調子に乗ってポイポイ食べていると、太りそうなイメージがつきまとう。

   研究チームは、60~82歳までの健康な男女707人を対象に、クルミの健康効果を調べる実験をした。被験者は定期的にクルミを食べる260人と、まったくクルミを食べない447人に分けた。両グループとも、クルミを食べるか食べないかの違いだけで、何の注文もつけずに、これまでどおり自由に食生活を送ってもらった。また、クルミを食べるグループには、クルミのカロリーや栄養素、摂取量に関して何の説明やアドバイスをせず、ただ定期的に食べるという条件をつけただけで、あとは本人の自由意思に任せた。

   1年後、両グループの体重や血液を検査すると、次のような結果が出た。

   (1)両グループとも平均するとわずかに体重が増加した。ただし、両グループの間では体重の増減差はほとんどなかった。

   (2)クルミを食べたグループは、中性脂肪の値が下がった。また、総コレステロール値に占める悪玉コレステロール(LDL)値が大幅に減り、善玉コレステロール(HDL)値が増加した。

   (3)クルミを食べなかったグループは、コレステロール値や中性脂肪の値にほとんど変化はなかった。

   研究チームでは「極端に太ることもなく、60代以上の年代に大きな健康効果があることは喜ばしい。クルミに含まれているα(アルファ)リノレン酸が悪玉コレステロールを減らし、血栓をできにくくして血液をサラサラにしたと考えられます。また、クルミは食物繊維が豊富なので、自然に食べる量を抑えられたのでしょう。クルミを食べ続ければ、この健康効果は長期的に維持されることも確かめられました」とコメントしている。

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