数日で指定できたとしても「実際の災害支援には何の関わりもないこと」
安倍晋三首相は早期指定を目指す考えを表明したが、その内容は「突き放している」ともとれるものだ。
「一定の水準に達するという法律的な要件がある。そのなかで我々はしっかりと作業を進めて、この状況でございますから、激甚災害指定の方向に向けて決定をしていきたい、こう考えているが、この決定が例えば、今日、明日、明後日ということになったとしても、これは実際の災害支援には何の関わりもないこと」
「事務的に数字を積み上げていかなければ法律的にできない。それを今、一生懸命やっている」
2011年3月11日に発生した東日本大震災は、翌3月12日には激甚災害指定が閣議決定された。当時の内閣府の発表資料では、その背景を「地震による被害が、激甚災害指定基準を明らかに超えるものと見込まれた」と説明している。
一方、ここ1年ほどで激甚災害に指定された事例を見ると、14年8月24~26日に台風15号が原因で起きた被害は9月25日に、9月7日~11日に起きた台風18号が原因の被害については、10月6日にそれぞれ閣議決定されている。