熊本で相次ぐ地震をうけ、旭化成が「サランラップ」10万本を被災地に寄付すると決めた。ネット上では、早くも「止血に使える」「皿を汚さなくて済む」など、非常時ならではの使い方が提案されている。
5年前の東日本大震災発生時もサランラップを寄付した同社。J-CASTニュースの取材に応じた広報室担当者は、「こちらからこう使って欲しいというお願いはありませんが、当時は包帯や紙代わりに使って頂いたようです」と明かす。
皿の上に密着させる
サランラップの寄付が発表されたのは2016年4月18日。同社は東日本大震災発生から3日後の11年3月14日にも50万本の寄付を発表していた。本来、サランラップは食品を覆うためのもの。水や食品、衣料と違い、避難所での使い方がなかなか予想しづらいという人もいるようだ。
しかし、密着する、使い捨てられるといったサランラップの特徴を生かした様々な用途がすでにネット上で示されている。その1つが皿の上に密着させるというもの。断水によって水が使えない場合、皿を汚さずに食品を置ける「敷物」があれば重宝されるだろう。
その他、傷口の保護、止血、骨折部の固定、褥瘡部の保護など多種多様な提案がみられた。
歴史をたどると、サランラップはもともと食品を包む用途で使われていなかったという。同社ホームページによると、サランラップの素材となっている合成樹脂「ポリ塩化ビニリデン」はアメリカで生まれ、太平洋戦争で活用された。蚊から兵士の身を守る蚊帳、ジャングルを行進する兵士を水虫から守る靴の中敷き、銃や弾丸を湿気から守る包装フィルムが主な用途だったそうだ。