【男と女の相談室】熊本地震「被災者の栄養バランス」が課題 元気に前向きになるには限られた食材で工夫を

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   2016年4月14日に発生した熊本地震の被災地では、4月20日現在、水や食料不足に悩まされている一方、各地で炊き出しが始まり、スーパーやコンビニエンスストアでは営業を再開したところが出てきた。

   とはいえ、手に入る食材は数も種類も不十分。自宅が被災して調理が難しい家庭もある。少しでも栄養のバランスを保つ工夫が必要だ。

  • おにぎりを食べる際にひと工夫欲しい
    おにぎりを食べる際にひと工夫欲しい
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東日本大震災では「2週間以上もパン、おむすび、水だけ」

   地震直後、避難所で配られる食事はおにぎりや菓子パンといった調理が不要ですぐに食べられるものが多い。もちろん、空腹で疲れ切った被災者にこうした食事の提供は大切だ。だが、避難生活が長引くと、炭水化物だけでは栄養面で偏ってしまう。

   国立健康・栄養研究所と日本栄養士会が2011年4月にまとめた「災害時の栄養・食生活支援マニュアル」のうち、「災害時の食事や栄養補給の活動のながれ」を見ると、時間の経過とともにどのような栄養をとるべきかが分かる。

   まず地震発生から24時間以内は、パンやおにぎりといった主食中心の高エネルギー食品が必要となる。発生から72時間以内の段階で炊き出しが始まるが、まだ高エネルギー食品を食べるのがよい。これに対して、発生4日以降になるとタンパク質、ビタミン、ミネラル不足に対応しなければならない。熊本地震は2016年4月20日で、地震発生から1週間が経過した。既に炭水化物オンリーから脱却した方がよい時期にきている。

   だが、東日本大震災の例を見ると、避難生活での十分な栄養補給は難しそうだ。厚生労働省が2013年3月、管理栄養士が岩手、宮城、福島の3県の避難所を回って食生活と栄養状況を調査した資料を発表した。それによると、例えば福島県では「2週間以上もパン、おむすび、水等しか配給されていない避難所もあった」、岩手県でも震災から約1か月の段階で「全体的に野菜の量が少ない」「全体的に肉、魚、牛乳等のたんぱく源が少ない」「全体的におにぎりや菓子パン等、穀類の量が多すぎる」との指摘が出ていた。

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