2016年夏、長野市内で2つの大規模イベントが「同日開催」されることになった。1つは市の夏祭り「長野びんずる」、もう1つは人気グループ「嵐」のコンサートで、ともに8月6日に行われる。
「Xデー」を前に、早くも交通の混乱を心配する声が上がっている。加えてネット上では「ホテル問題」も関心を集めている。
15年の「関ジャニ公演」では最終新幹線に間に合わず
「長野びんずる」は、しゃもじを打ち鳴らしながら市民が踊る祭りで、長野市最大のお祭りだ。2015年には約20万人が参加した。
例年8月の第1土曜日に開かれるため、2016年は8月6日となるのだが、これに、いったん「待った」がかかった。同じ日に、市内で「嵐」のコンサートも行われることから、交通問題を懸念する県タクシー協会長野支部などが日程変更を求めたのだ。
しかし、実行委員会は4月18日に開いた総会で、8月6日に開くことを正式に決めた。複数の報道によると、実行委員長はこの日、「観光地・長野として、今後もこういうことはあるだろう」「創意工夫で乗り切り、今後につなげたい」などと述べたという。
嵐のコンサート会場となる「エムウェーブ」の収容人数は約2万人。18時スタートで、通常ならば21時ごろに終了するとみられる。一方、びんずるも、15年と同様ならば21時台に終了し、会場周辺は22時半まで交通規制がかかる。
エムウェーブでは15年8月にも「関ジャニ∞」のコンサートが開かれたが、終了後にはバス乗り場やタクシー乗り場がごった返し、最終新幹線に間に合わず泣く泣く野宿するファンが相次いだことも話題になった。
今回はそこに20万人規模の祭りが重なるだけに、ネット上には早くも不安の声が上がっている。
飛び込みで周辺の宿泊施設に泊まれる可能性は限りなく低い。長野市ホテル旅館組合の担当者によると、加盟しているホテルや旅館22軒は19日時点で、ほぼ満室状態。「ほとんどがコンサート参加者の予約でしょう」という。
既にホテルは嵐ファンで満室状態
「中央館 清水屋旅館」では「コンサート開催が発表された12月時点で問い合わせが殺到しました」(広報担当者)という。
「ホテル メトロポリタン長野」でも「コンサート発表ごろから予約が入り始めて、3月初めにはほぼ満室。個人での予約が全235室中200室以上を占めており、嵐ファンのお客様だと考えられます」(広報担当者)という。
「びんずるの参加者は地元の人が中心。これのために市内で宿泊するケースはほとんどないと思いますよ」(清水屋旅館担当者)とのことなので、「ホテル争奪戦」はあくまで嵐ファン同士で繰り広げられている問題だ。
開催まであと3か月半あるが、予約できないファンが少なくないようで、ネット上では「野宿になっちゃう」「野宿しろと?死んじゃうわ」との声がいくつも見られる。
ちなみに嵐のコンサートといえば、2015年に仙台市で起きた騒動が記憶に新しい。9月のコンサート日程が日本質的心理学会の全国大会と重なり、ホテルや航空券の予約が取れないとして学会が延期になってしまったのだ。
実は、8月6日には、長野市の信州大学教育学部で、日本理科教育学会の全国大会も開かれることになっている。実行委員会によれば、約800人の参加が見込まれるという。
こちらでも「宿問題」は起きていないのか。19日、J-CASTニュースが実行委員長に話を聞いてみると「長野市内での宿泊を希望される参加者様にご不便をおかけしないよう、実行委員会としてお引き受けした3年前から準備を進め、ある程度の部屋数を確保しております」とのことで、参加者から宿に関する問い合わせや相談は、いまのところ「ほぼない」という。