赤道直下の熱帯で栽培される生い立ちに秘密
研究者のサイトをみると、コーヒーという植物の生い立ち秘密があるようだ。コーヒーは赤道直下の熱帯で栽培される。強い紫外線や害虫、細菌、そして活性酸素から身を守るため、抗酸化作用のあるポリフェノール(植物由来成分)を持っているが、コーヒー・ポリフェノールが特別に強力なのだ。
カカオやココナッツ、ヤシを見るとわかるが、多くの熱帯植物の果実は硬い殻で覆われ、紫外線や虫を防ぐ。ところがコーヒーは、「コーヒーチェリー」と呼ばれる柔らかい実をつける。つまんで食べると甘い。この無防備な実の中にコーヒーの種子(豆)があり、非常に強い抗酸化力があるポリフェノールを含んでいる。それがコーヒーパワーの源「クロロゲン酸」だ。
クロロゲン酸が魔法のような健康効果を次々と生み出してくれる。まず体内に入ると、血管内の血小板が固まるのを防ぎ、血液をサラサラにする。血栓ができて血管をふさぐと脳梗塞や心筋梗塞が起こるが、それを防いでくれる。上記の研究の中に心臓病で死ぬリスクを減らす効果があるのはこのためだ。
2番目に重要な働きは、糖尿病を防ぐことだ。クロロゲン酸は脂肪の蓄積を抑える働きがあり、血糖値を下げる作用がある。インスタントコーヒーを1日5杯、16週間飲み続ける実験では血糖値が10%下がる結果が出た。糖尿病を予防することが、実は、がんの発症リスクを減らすことにもつながる。
最近の研究では、がんも生活習慣病の1つで、糖尿病は「がんへの途中駅」といわれる。中でも肝臓がんと子宮体がんは、それぞれ肝臓や子宮に脂肪がたまることから発症することが多く、糖尿病との関連が強いのだ。
3番目に、クロロゲン酸には強い抗酸化作用があるため、肝機能を高める働きがある。だから二日酔いの予防にいい。酒を飲んだらシメはラーメンにしないで、コーヒーを飲むのが一番なのだ。ただ、夜遅く飲むと眠れなくなるので、デカフェ(カフェインレス)のコーヒーがオススメだ。
ちなみに美肌効果も、シミの原因は紫外線によって発生する細胞の活性酸素だから、クロロゲン酸の強い抗酸化作用が活性酸素の除去に役立っていると考えられている。