コーヒーは1970年代までは「健康に悪い食品」の代表格だった。米ハーバード大学の栄養学専門家が出版した「亭主を早死にさせる10か条」という本の中で、塩分の多い物、甘い物、酒、タバコと並び、「せっせとコーヒーを飲ませなさい」と挙げられたほどだ。
1980年代から「コーヒー研究」が始まった。いかに健康に悪いかを啓蒙するのが目的だが、皮肉にも「カラダにいいことづくめ」の結果を生み出すことになった。ここ数年発表された研究だけでも次のようにスゴイことになっている。
心臓病リスク減などの研究結果
(1)コーヒーを毎日3~4杯飲むと、飲まない人に比べ、心臓病で死ぬリスクが36%減、脳内出血・脳梗塞など脳血管病で43%減、肺炎など呼吸器病で40%減(2015年:東京大学と国立がん研究センター)
(2)コーヒーを毎日2杯飲むと、肝硬変になるリスクが43%減、3杯では57%減、4杯だと65%減(2016年:英サウサンプトン大学)
(3)コーヒーを毎日4~6杯飲むと、子宮体がんになるリスクが25%減、前立腺がんになるリスクが18%減(2012年:米ハーバード大学)
(4)1日3~4杯のコーヒーを飲むと、飲まない人に比べ、糖尿病のリスクが男性で27%減、女性で29%減(2014年:フィンランド国立公衆衛生研究所)
(5)1日4杯以上コーヒーを飲むと、うつ病になるリスクが約10%減(2015年:米国立衛生研究所)。1日2~4杯のコーヒーを飲むと、成人の自殺リスクが約50%減(2015年:米ハーバード大学)
(6)1日に飲むコーヒーの量が多いほど、紫外線シミの発生面積が減少(2011年:お茶の水女子大学)
このほか、パーキンソン病、痛風などに改善効果があるという研究も発表されている。それにしても美肌効果まであるとは驚きだが、コーヒーのどんな成分が体にいい作用をしているのか。