【男と女の相談室】避難所で感染症拡大はこう防ごう 東日本大震災の教訓を生かしたい

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最も重要な感染症予防はアルコール消毒の手指衛生

   日本感染症学会と日本環境感染学会、日本化学療法学会、日本臨床微生物学会は、熊本地震による被災地での感染症対策のために連携協力して支援していくとウェブサイト上で表明した。このうち日本環境感染学会は、大規模災害時の被災地における感染症制御の手引きをウェブサイトで公開した。

   その中で「最も重要な感染制御策」と強調しているのが「手指衛生」だ。とはいえ熊本地震では、断水が長引いて衛生的な水の入手にひと苦労し、十分な手洗いが困難だ。そこで有効なのがアルコール消毒。食事の前、排せつの後、病人の世話や傷の手当てをする前後、排せつ後のおむつに触れたりゴミを処理した後、鼻をかんだり、咳をしたり、くしゃみをした後に行いたい。

   施設内の清掃も重要だ。特に調理場とトイレは消毒薬などを用いて毎日清潔さを保ちたい。居住空間も週1回、また寝具は使用者が変わるごとに洗浄や清掃をする。糞便で激しく汚れた衣類は、使い捨て手袋を着けてプラスチック製のゴミ袋に封入して廃棄するなど、細心の注意を払おう。

   避難所の多くは体育館をはじめ、居住を想定していない。そのため、衛生設備や調理設備が十分ではない。施設が不衛生になるのを防ぐため、トイレごとに担当者を配置し、使用人数の制御や時間ごとの消毒薬による清掃、石けんやトイレットペーパーなど消耗品の維持管理をする。また、手洗いの設備が最初から不十分であれば、居住スペースの使いやすい場所に手指用アルコール消毒薬を多数置くことが大切だ。

   これらは、避難者自身が心がけなければならないが、アルコール消毒薬やトイレットペーパー、ゴミ袋といった消耗品の支給が間に合っていない場合もある。外部から継続的に支援していきたい。

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