タレントの清水国明さん(65)が、被災者の仮住まいとして、トレーラーハウスを活用すべきとブログなどで訴えている。清水さんが言う、「仮設住宅ではダメ」なわけとは――。
2016年4月17日放送のNHK日曜討論では、熊本地震への対応についても議論になった。
「仮設住宅は、時間とお金がかかるなど無駄が多い」
清水さんは、山梨県内で自然体験施設を運営しながら、被災地への支援活動も続けている。番組では、今回の地震を受けて、備蓄しているトレーラーハウス10台を被災地に届ける活動をしていると明かした。
仮設住宅をこれから作るとすれば1~2年もかかるとして、清水さんは、アメリカなどで災害時に活用しているトレーラーハウスやキャンピングカーが有用だと訴えた。日本では、震災があるたびに被災者が避難所に長い間閉じ込められる同じ光景が繰り返されているとして、「何も備えてこなかったんじゃないか?」と現状を強く批判した。
清水さんは、ブログなどでも自らの考えを説明している。
それによると、東日本大震災の被災地に何度も通って被災者に聞いた結果、本当に必要なのは、「金」と「家」だということを痛感したという。しかし、仮設住宅は、時間とお金がかかるなど無駄が多すぎることに気づいた。アメリカのようにトレーラーハウスを全国に備蓄して、通常はレジャー用などに使い、震災時にそれを仮住まいにすることを清水さんは唱えている。
国交省でも震災後、車体の長いトレーラーハウスに対し、車検上の基準緩和を行い、特殊車両の通行許可を取れば、国道などを走れるようになった。しかし、トレーラーハウスを使う動きは、日本ではあまり進んでいない。
冷暖房完備で、10センチの断熱材を使っている
その理由としては、明確な根拠はないが、仮設住宅の設置によって建設業者らが潤う「災害特需」があるのではないか、とみる向きもある。
清水国明さんは、仮設住宅について、こう指摘する。
「隣の音も聞こえるほど粗悪な住宅が多く、被災者がかわいそうですよ。壊すのにも数百万円かかり、金や時間の無駄だと思います」
トレーラーハウスは車内が狭いなどのデメリットがあるのではとの声もネット上であるが、清水さんは否定する。
「冷暖房完備で、10センチの断熱材を使っています。窓が2重ガラスで、床暖房もあるんですよ。居住性もよく、仮住まいとしては、まったく問題ないと思っています」
清水さんは、備蓄している10台とも国産車を使っており、自動車メーカーなどと協議して、日本の新しい産業にしようと働きかけているとした。
熊本の被災地にトレーラーハウスを送ることは、国からも要請を受けているという。東北地方からも25台が送られる予定で、現在は集会場や売店、宿などに使われているが、熊本で使ってほしいと要望があったそうだ。