熊本県で発生した地震によるテレビの「自主規制」をめぐり、実業家の堀江貴文さんと教育評論家の尾木直樹さんがネット上で巻き起こしている「論争」に、フリーアナウンサーの長谷川豊さんが新たに「参戦」した。
長谷川さんは2016年4月18日に更新したブログで、災害でバラエティ番組の放送を自粛することを批判した堀江氏の意見について、「正しい」と賛同。「放送をやめることはさすがに適切とは言いにくい」として、「当人が苦言を呈したくなるのは当然のことだと思います」と述べた。
「自粛した所で被災者が助かる訳では無いんだがね」
今回の論争が起きたきっかけは、16年4月16日に堀江さんがツイッターに寄せた投稿だ。インターネットテレビ局「Abema TV」で放送予定だった出演番組が、熊本の地震を受けて放送延期となったことに関し、
「熊本の地震への支援は粛々とすべきだが、バラエティ番組の放送延期は全く関係無い馬鹿げた行為。人のスケジュールを押さえといて勝手に何も言わずキャンセルするとはね。アホな放送局だ」
と激怒。放送延期を伝える同局公式アカウントのツイートには、「おめーらが自粛した所で被災者が助かる訳では無いんだがね」と皮肉交じりに返信した。
こうした堀江氏の主張に、尾木さんが異論を唱えた。「番組自粛はごく自然な人間らしい判断」と題した記事を17日にブログへ投稿。熊本にいる被災者のことを考えれば、
「普段通りの楽しい番組構成にブレーキかかるのあまりにも当然!人間らしい共感能力あれば自粛して工夫しようとするのはあまりにも当然!」
と主張。こうした尾木さんの投稿に対し、堀江さんは18日のツイッターで、「やっぱりこの人おかしな考え方だな」と一言。「こんな人が教育評論家やってるからダメな教育になる」と痛烈に批判した。
「放送をやめることはさすがに適切とは言いにくい」
テレビの放送自粛をめぐる2人の論争に、新たに参戦したのが長谷川さんだ。16年4月18日未明に更新したブログで、
「地上波テレビでもなんでもない『ネットテレビ局』が、今回の地震発生に際して放送をやめることはさすがに適切とは言いにくい部分があります」
として、堀江さんの主張は「正しい」と指摘。その一方で、「放送法」に基づく地上波放送では「今回のような大災害が発生したときに、かなりの放送時間を割いて災害報道一色になることは当然の責務です」ともつづった。
また、災害を受けて企業がCMを「自主規制」することに対しては、「カッコ悪くてしょうがないと感じています」と一言。その上で、
「自社の製品が多くの方々のために役に立ち、多くの方々を幸せにしているんだ、と自信を持っていれば、現在の状況でCMの自主規制が行われることは『不自然』な状況でしかありません」
と批判し、「企業の皆さんも、あまり表面上だけの『ポーズ』は控えられた方がいいような気がします」とつづった。