アベノミクス・シナリオはこれからどうなるのか 同日選・消費増税延期「決断」の時期近づく

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熊本地震、そして衆院補選結果が重大な影響を

   そして、最終的な分かれ道が消費税。税率アップを予定通り実施するか、否か。「国際金融経済分析会合」は、これを判断する舞台回しの一つとされ、クルーグマン教授ら「権威」に「増税延期」を語らせて世論を誘導し、延期決断、衆院解散・同日選に持ち込む――とのシナリオが春先には語られ、同日選を確実視する見方が増えていた。しかし、ここにきて、円高・株安の進展もあり、そうした見方はやや後退しているようだ。

   首相には(1)増税実施・解散回避、(2)増税実施・解散断行、(3)増税延期・解散回避、(4)増税延期・解散断行の4通りの選択肢がある。「(増税再延期は)信頼性の問題も出てくる」(4月13日、経済協力開発機構=OECDのグリア事務総長)など、財政再建後退への懸念は国際的にも強い。安倍首相は「重大な事態が発生しない限り予定通り(税率を)引き上げる」とする一方、「その時の政治判断」とも述べ、決断へフリーハンドを確保しながら、状況を見定める構えだ。

   ただし、熊本の地震は想定外の要素。自動車の部品供給に支障が出て完成車工場の生産ラインが止まるなど、景気への悪影響が懸念され始め、ただでさえふらつく足元の景気、株価の動向は、一段と不透明感を増している。そして目先では、与野党一騎打ちの衆院北海道5区補選(24日投開票)の結果が解散戦略に大きな影響を与えるのは間違いない。首相の決断の時が近づいている。

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