熊本県を中心とする大地震が起きてから3日がたとうとするなか、被災地では水道や電気、ガスなどのライフラインが途絶えたままの地域が多い。熊本市内から現地の最新情報が入ってきた。市内に住む自営業の森恭三さんが、被災地のいまをJ-CASTニュースに語ってくれた。
最大震度7を観測した益城町に隣接する熊本市東区。2016年4月17日現在も、熊本市内のほぼ全域で断水が続いているが、市内の神社の「湧き水」が重宝されるなど、行政からの給水を待たずに、自ら水を確保する動きも広がっているという。
給水所で「2時間待って2~3リットル」
森さんによると、熊本市民74万人のうち、「多くの人は『避難所』に行っていません」という。そして、自宅避難の場合には「水と食料は自己調達」のため、「この大変さはテレビなどでは紹介されません」と語る。
「避難所に物資が集中するのは当たり前ですが、コンビニやスーパーの物流を再開されるのが、一番の助けかと」
「給水所で2時間待って2~3リットルの水」という水不足のなか、東区と中央区にまたがる江津湖(えづこ)という湖の周辺の湧水が重宝されているという。森さん自身も4月17日9時ごろ、東区下江津の菅原神社へ行き、井戸から水を求める人々を撮影している。
この井戸は、通常は手水舎として使われている。社殿自体は15日の「本震」で崩壊してしまったが、いまも湧水を求める人でいっぱいだという。この神社に限らず湖畔には、水がわき出ているところがあり、地震の後、車で水を汲みに来る人が多く見られるという。
4月14日以降の震度1以上の地震の回数も440回を超え、17日17時現在、今回の一連の地震による九州地方の死者は41人、安否不明11人、重軽傷者約1000人に上っている。避難者数も19万人以上と推定され、九州電力によると、熊本県内の約6万2700戸(16時30分現在)が停電するなど、水道も含めライフラインの復旧にはなお、相当の時間がかかりそうだ。