吉野家HD、ドンと減益 「吉呑み」全店へ拡大で大復活なるか

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   牛丼チェーンの「吉野家」を運営する、外食大手の吉野家ホールディングス(HD)の2016年2月期(通期)の連結決算は、増収減益だった。

   売上高は前年同期と比べて3.2%増の1857億3800万円と伸ばしたものの、営業利益は54.1%減の16億1300万円、経常利益は41.3%減の23億4500万円、最終利益は11.0%減の8億3700万円(いずれも、連結ベース)と、厳しい状況となった。

  • 吉野家、増収増益目指して「豚丼」投入、「吉呑み」全店に拡大へ
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「牛すき鍋膳」暖冬で振るわず

   吉野家HDが2016年4月11日に発表した16年2月期(通期)の連結決算によると、主力の牛丼チェーン「吉野家」の売上高は、前年同期と比べて0.3%増の956億700万円の増収。その要因を、「健康メニュー」として用意した、半日分の野菜が取れる「ベジ丼」や低カロリーの朝定食「豆腐ぶっかけ飯」と「鶏そぼろ飯」、夏場のがっつりヘルシー商品の「麦とろ牛皿御膳」が好評だったことや、ビジネスマンらの夜の「ちょい呑み」需要を取り込み、約360か店で新たに展開した「吉呑み」が受け入れられたこと、と分析している。

   さらには、2015年4月からスマートフォンを使った「お持ち帰り予約システム」や、人工知能搭載型ロイヤリティ・アプリ「Tamecco」を導入。順次拡大しているほか、16年2月15日からは全国の1171か店で、たとえば牛丼大盛(550円)で2ポイント(税込み200円につき1ポイント)が付く、「Tポイントカード」の利用も可能にした。

   一方、冬の定番メニューとして定着した「牛すき鍋膳」の販売数が、暖冬の影響で前年と比べて減少したことや、米国産牛肉の輸入価格が高騰して採算が悪化。それによる評価損の計上などによって、吉野家のセグメント利益は30億5400万円と前年同期比で24.8%の大幅な減益となった。

   連結ベースでみると、讃岐うどんチェーンの「はなまる」の売上高は前年同期比10.2%増の215億1000万円、セグメント利益は16.4%増の11億5800万円と、出店増や健康志向のメニュー展開を背景に好調。また、寿司事業の「京樽」の売上高は1.8%増の249億7600万円、セグメント利益は13.7%増の2億8900万円と、キャンペーンなどが奏功。ともに増収増益で、結果的に主力の牛丼事業が足を引っ張ったかたちだ。

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