少年時代から親元を離れる選手も
「監督など指導者は選手をしっかりと教育しているのか」
こんな話をテレビなどでコメンティーターは話しているけれども、監督やコーチたちも元は有力選手が多く、そんな人たちが社会常識を教えられるだろうか。それは保護者の役目だろうと思う。
桃田は中学校から親元を離れている。この現実を見逃してはいけない。競技に素質のある少年はスカウトされて特待で高校に進み、十代半ばから親元から離れ、それこそ競技中心の生活を送るケースが多い。現在はそれが加速して桃田のような選手が増えているのが実情だ。
高校ではこんな例を聞く。野球部の生徒は、授業を午前中で切り上げ、練習をするという。甲子園出場を目指す学校に見られるそうである。他の競技でも似たり寄ったりなのだろう。
保護者にも問題がある。スカウトされると「甲子園出場」「ゆくゆくはプロ野球」などと舞い上がってしまう。少年野球の現場に行けば分かる。バドミントン事件の根っこは少年時代に問題があるといえる。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)