熊本地震で「東京防災」電子書籍がバカ売れ 「今回の地震に役立つ情報あります」と呼びかけも

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   「被災者の方は、東京防災をダウンロードしてください」――。熊本県で震度7を観測した2016年4月14日夜の地震を受け、東京都が発行している防災ブック「東京防災」への注目度が急上昇している。

   無料でダウンロードできる電子書籍版は、今回の地震が発生してから「Amazon Kindleストア」の売れ筋ランキングで1位を獲得(4月15日13時時点)。単行本を取り扱う書店にも問い合わせが相次ぎ、15日昼までに売り切れたという。

  • Amazonでも東京防災の電子書籍版が「バカ売れ」状態に(画像は販売ページ)
    Amazonでも東京防災の電子書籍版が「バカ売れ」状態に(画像は販売ページ)
  • Amazonでも東京防災の電子書籍版が「バカ売れ」状態に(画像は販売ページ)

ツイッター「トレンド」にも登場

   東京都が2015年9月1日から都民に無料配布した災害マニュアル本「東京防災」。災害に対する事前知識や備え、発災時の対処法などをイラスト付きでまとめたもので、ネット上では「簡潔で分かりやすい」「本当に使えるマニュアル」などと大きな話題を呼んだ。

   都民以外からも「欲しい」との意見が相次いだことを受け、都は15年12月に一部書店で単行本の一般販売を開始。だが、購入希望者が殺到したため、発行した5000部はたった3日で在庫切れに。16年3月に販売を再開したばかりだった。

   書籍の内容は都の「防災ホームページ」で閲覧できるほか、電子書籍版も16年3月30日から各電子書店で無料配信されている。そのため、今回の熊本での地震を機に、ネット上では「都民以外でも役に立つ無料の電子マニュアル」だとして、東京防災への注目度が急上昇した。

   ツイッターやネット掲示板などには、

「東京防災をダウンロードしてください」
「今回の熊本の地震に役立つ情報もあります。ご参考ください」
「東京防災が参考になるかも。災害時に為になることが沢山書いてあります」

などと被災者へ呼びかける投稿が相次いだ。また、東京防災に書かれている内容を被災者に伝える動きも出ており、「東京防災から避難時の注意点を一部抜粋したので参考に」「外傷の応急処置(東京防災より)」といった投稿も数多く見つかる。

   さらに、15日朝にはツイッターの「トレンド」にも「東京防災」という言葉が登場。こうした反響に伴い、電子書籍版は「Amazon Kindleストア」の売れ筋ランキングで1位を獲得している(4月15日16時時点)。

東京都「ぜひ活用して頂ければ」

   電子書籍版だけでなく、紙の媒体で手に入れたいと考える人も急増しているようだ。「八重洲ブックセンター」の広報担当者によると、東京駅前の本店では「電話や店頭での問い合わせが相次ぎ、16年4月15日昼までに売り切れました」。同日16時現在も問い合わせは止まないといい、大量の追加発注をかけたという。

   また、東京防災の単行本を入荷していないAmazonでも、「本」カテゴリの売れ筋ランキングで上位に登場。どうやら、定価(税込140円)の数倍の値段で販売されている中古本を買い求めるユーザーが続出しているようだ。

   こうした反響について、東京防災を作成した都の防災管理課は、16年4月15日のJ-CASTニュースの取材に対し、「1人でも多くの方に読んでいただき、少しでも防災意識や知識の向上に繋げて貰えれば、我々としても本を作成した目的に合致します」と話す。

   その上で、

「東京防災には、どこの地域にお住まいの方でも参考にできる内容が記載されています。また、発災から復興までの内容を含んでおりますので、現在避難所にいる方でも、読んで頂ければ何かの役に立つと思います」

と続け、「ぜひ活用して頂ければ」と呼びかけた。

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