システムに人が依存しすぎないように
ACSIVEを開発したのは、長年歩行ロボットを研究する名古屋工業大学の佐野明人教授と、電動車いすや義足の研究開発、製造を手掛ける株式会社今仙技術研究所だ。2016年3月30日、東京都内で開かれたイベント「Aging Style × GOOD DESIGNトーク」で実物を披露した。
佐野教授は、歩行の際に自然と生じる「前に出ようとする物理現象」(受動歩行)の原理をACSIVEに応用。バネと、すねやももの振り子の動きを利用した。装置を着けた側の足が着地して体が前に進もうとする瞬間の力をバネに蓄え、足を踏み出す瞬間にバネが延び、足がより前に出るように、その振り出しをサポートしているという。ロボット技術を応用した歩行支援機は、外部からの動力で足を動かすパワードスーツが思い浮かぶが、ACSIVEはモーターやバッテリーを持たない。自分の筋肉を使い、自立して歩くことになる。
「システムに人が依存しすぎない、自分の足で自分の歩行をサポートすることが重要だと考えています」(佐野教授)
介護やリハビリなどの用途に限定しているわけではないため、高齢者の登山やゴルフなど、レジャーでの利用も想定されているという。