「業績は不合格」柳井氏も認めるユニクロの「陰り」 「値上げ」引き金の客離れが止まらない

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3月の既存店客数は8%減る

   海外ユニクロ事業も苦戦している。売上高こそ積極出店によって12.7%増えたものの、米国や韓国の採算が改善せず、営業利益は31.4%減と落ち込んだ。国内ユニクロ、海外ユニクロとともにファストリ主要3事業の一つで、より低価格のトレンド衣料品を販売する「ジーユー」などの「グローバルブランド」が唯一気を吐いて増収・営業増益だったが、規模は相対的に小さいため、国内外のユニクロの不振を補うまでの力はない。

   その結果、上半期の売上高は前年同期比6.5%増の1兆116億円と増収だったものの、営業利益は33.8%減の993億円、純利益は55.1%減の470億円となった。円高による為替差損が228億円発生したことも純利益の減少に響いた。

   2016年8月期通期については、冒頭紹介したような形で業績予想を下方修正し、2期ぶりの最終減益を見込む。株式市場では不安感が強まり、4月8日のファストリ株の終値は前日比13%安の2万6610円と約3年ぶりの安値に落ち込んだ。これに先だって4月4日に発表された国内ユニクロの3月の実績も春物が苦戦してパッとせず、既存店客数は前年同月比8.6%減、既存店売上高も0.3%減と振るわず、光明を見い出せていない。

   柳井氏は4月7日の記者会見で、この間の落ち込みを挽回するために「単純なプライス、より買いやすい値段にしたい」と述べ、さらなる値下げを示唆した。

   ユニクロを去った消費者が再び足を運んでくれるのか、まさに正念場と言えそうだ。

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