「説明会」全文は国務省ウェブサイトで公開
こういった傾向は、「国務省高官」がケリー氏の原爆資料館訪問に先立って行った説明会で、より鮮明に示された。説明会は「国務省高官」の名前を出さない条件で行われたが、全文が国務省のウェブサイトに公開されている。それによると、記者が
「彼(ケリー氏)が、70年前の出来事についてある種の遺憾の意や悲しみを表明することはあり得るのか」
と質問したのに対して、高官は
「国務長官が謝罪のために広島を訪れたのか、というお尋ねであれば、答えはノーだ。長官、そしてすべての米国人と日本人が、これほど多くの我々の国民に襲いかかった悲劇に悲しみを覚えるか、というお尋ねであれば、答えはイエスだ」
と、謝罪を明確に否定。
「世界に対して核兵器を使うなと言うのであれば、なぜ謝罪しないのか」
と詰め寄った記者もいたようだ。高官は、米国は核兵器を実際に使ったことがある唯一の国として、世界的な軍縮と核拡散の防止に「特別な責任」があるとしながらも、
「人々の側、具体的には広島の行政当局(the government of Hiroshima)や日本政府からは米国に謝罪を求めようという動きもないし、原爆の使用で起きた一連の出来事について改めて責任を問おうと関心を持つ向きもない」
と述べ、日本の行政側に謝罪を求める動きがない以上、米国側も謝罪を検討する必要はないとの見方を示した。