ビールは1杯800円、グラスワインは850円から――。人気コーヒーチェーン「スターバックス」が一部店舗で導入したアルコール飲料の「強気な価格設定」が、ネット上で賛否を呼んでいる。
30~40代のビジネスウーマンを主なターゲットとした今回のサービス。ネット上には、実際に店舗を訪れた女性からは好意的な意見が上がる一方で、「この値段出すならバーに行く」「30代女性はそんなに自由な金持ってない」などといった不満が漏れている。
ワイン2杯につまみ1品で「2000円」超
東京・千代田区の「スターバックス 丸の内新東京ビル店」で2016年3月30日、「Starbucks Evenings(スターバックスイブニングス)」と題したサービスが始まった。こうしたサービスは、海外ではアメリカを中心に250店舗(16年3月16日時点)で導入されているが、国内では今回が初めて。
スターバックスコーヒージャパン広報部は16年4月11日のJ-CASTニュースの取材に、「30~40代のビジネスウーマンを中心に、女性が1人でお酒を楽しめる場所を提供できればと考えました」と企画の趣旨を説明。サービス開始から客足は好調で、想定した通り女性客の姿が目立つとも語った。
実際、ツイッターなどには、店舗を訪れたという女性などから「なかなか居心地のよい場所でした」「味も雰囲気も最高」といった好意的な感想が上がっている。
だが、その一方で、「スタバならアルコールも手ごろな価格で...」と期待していた人たちが多かったためか、「ちょい飲み」的な店を想像していた人たちからは、「強気な価格設定」に不満の声が漏れていることも確かだ。
アルコール飲料の価格は、グラスワインが1杯850~1400円(税別、以下同)で、輸入品のビールも800円から。ワインに合うおつまみとして用意されたスティック形のタルトも、1本400円だ。つまり、グラスワイン2杯にタルトを1つ頼んだだけで、会計は2000円を超える計算となる。
こうした価格設定に対し、ツイッターやネット掲示板では、
「ビール1杯800円とか完全にマーケティング見誤ってる」
「30代女性はそんなに自由な金持ってない」
「この値段出すなら、なにもスタバじゃなくて、普通に洒落たバーにでも行けばいい」
などと手厳しい意見が複数見つかる。
また、一部のネットユーザーからは「『ちょい飲み』のイメージで行くと後悔しそう」との声も聞かれた。
「値段の感じ方は人それぞれですから」とスタバ
今回のサービス開始直後にスターバックスで「ちょい飲み」したという40代男性は、J-CASTニュースの取材に対し、
「正直、飲食のコストパフォーマンスが良いとは言えません。お洒落な内装や雰囲気にお金を払っていると考えた方がいいでしょうね」
と率直な意見を述べる。その上で、腰を落ち着けて飲み食いするよりも、「待ち合わせなどの際に1杯の注文で時間を潰す、喫茶店のような使い方が向いていると思います」と語った。
こうした声が上がっていることに対し、スターバックス広報は、「値段の感じ方は人それぞれですから......」と困惑した様子で答える。その上で、価格設定については、
「ワインは女性に合うものを厳選しているほか、グラスも国産メーカーの『うすはりグラス』を使用しています。こうした点を複合的に考慮して、価格を決定いたしました」
と説明した。また、1人の客が何杯ものお酒や食事を注文することは「あまり想定していない」として、基本的には「1杯のアルコールとごく少量の料理をゆっくり味わって頂ければ」と話した。