働き盛りの年代は、つい自分の健康状態のチェックを二の次にしていないだろうか。会社の定期健康診断で「異常なし」との結果が出ても、ひそかに体の中では重大な病気が進行しているかもしれない。
J-CASTニュースの男性記者も、つい最近、あやうく命にかかわる重大な疾患があるとの現実を突き付けられた。ほとんど自覚症状がなかったが、実際は医師が「命の保証ができない」とまで口にする状態だったという。あなたの体にも「静かな恐怖」が忍び寄っているかもしれない。
心電図「明らかにおかしい」「あるはずの血管がない」
記者のAさんは53歳。温厚で社交的、アルコールは一切飲まない。持病の糖尿病ため月に1度、地元の病院に通って診察を受けている。
2016年3月中旬、定期検査で医師を訪れたときのことだ。終了後に医師から、「何か変わったことありますか」と問われたので、ふとこう返答した。
「特にないですけど...最近たまに胸が痛くなるんですよ」
実はAさん、2月半ばごろから通勤途中に軽い息苦しさ、胸を押される感覚があったという。自宅から最寄り駅まで歩いているときに起きるが、電車の席に座るころには収まっていた。しかも、発生頻度は高くないので、「運動不足かな」とあまり気にしていなかった。
だが、Aさんの担当医師は軽視しなかった。「すぐにカルテを回すから」と、病院内にある心臓外科で診察してもらうように告げた。
そこで心臓の専門医による問診、心電図検査を受けると結果は、「明らかにおかしい」と出た。予想外だったが、その場で医師が紹介状を書き、近日中に総合病院で精密検査を受けるように指示された。
しかし、まさか深刻な事態ではないだろうと考えたAさん、検査の予約を2週間後にした。その前週は予定が詰まっていたこともあり、週末には趣味の草野球に興じた。体に異変は起こらなかった。
そして精密検査。だが、やはりここでも「異常あり」となった。医師の口から、衝撃の言葉が飛び出した。
「あるはずの血管がないんです」