日清食品が、視聴者からの抗議をうけて「カップヌードル」の新CMの放送を取りやめたことについて、テレビやネットでは疑問や批判の声が相次いでいる。
放送開始からわずか1週間。「攻めているCM」との高評価もあっただけに、取りやめを惜しむ声は多く、CMへの抗議、ひいては特定の対象を集中批判しがちな「世間」への批判につながっている。
古市、ラサール、ふかわも「苦言」
日清食品は2016年4月8日、お笑いタレントのビートたけしさんやタレントの矢口真里さん、歌手の小林幸子さんやムツゴロウさん、音楽家の新垣隆さんを起用した「カップヌードル」の新CM「OBAKA's UNIVERSITY」シリーズを放送取りやめにすると発表した。
同社担当者は同日、J-CASTニュースの取材に「不倫に関係している」「虚偽を擁護している」など一部出演者のスキャンダルにからめた抗議があったと明かしている。
これをうけ、社会学者の古市憲寿さんは同日、ツイッターで「社会が不寛容になった」と一言。「いいCMだったのにな」と取りやめを惜しんだ。その後、「もしかして、大人になっても『学級』を生きている人が多いのかな。『嫌いな人』にいちゃもんつけて『学級会』で糾弾をするといったように。大人には『学級』なんてないんだから、『嫌いな人』が見えない場所に行けばいいだけなのに」と同社に抗議が寄せられる様子を「学級会」に例えて批判した。
タレントのラサール石井さんも同日、「ああ、もうこんなことも笑いにできない国になったんだね。久し振りによくやったと思ったんだけどなあ」「内容がどうとか言ってるけど、ただ『叩く』ことが目的でしょ。格好の標的だよね。それで何が生まれるのかな。きっと嫌な世の中になっていくよ。確実に」とツイッターで指摘している。
お笑いタレントのふかわりょうさんは、9日のブログで「僕は、日清のCMが好きだ」と切り出し、「いつだって、撒き散らされるのは、不満のほうだから。反対の声はきこえるけれど、賛成の声は、なかなかきこえてこない」と述べている。